医療

新型コロナウイルス(COVID-19)発症後の体の機能低下

新型コロナウイルスに発症し入院されると思います。重症化すれば人工呼吸器や対外式膜型人工肺(Extracorporeal membrane oxygenation,ECMO,エクモ)が使用されベッド上に寝たきりになることが余儀なくされます。一般的に人工呼吸器が挿管されるような状態に陥るとリハビリが介入することが多く、呼吸リハビリテーションといって、肺が膨らみにくくなるのを防いだり、痰を出して肺炎などを防ぐような介入が行われます。また、手足が固まらないように動かす、意識がある患者に対しては筋肉を使う動作を一緒に行ったりすします。しかし、重症な新型コロナウイルス患者に対しては所謂「三密(密閉・密集・密接)」を避けるため対応する医療従事者を限定しております。医者や看護師でも関わる人数は最小限にしているため、リハビリスタッフが直接的に関わる病院は日本ではほとんどないと思われます。

入院すると身体にどのような影響があるか

入院中にベッド上に寝たきりに時間が増えると身体にどのような影響が及ぶのでしょうか。重症コロナ患者は理学療法士がリハビリに入ることが現状は難しい施設が多く、看護師のケア時に少し体を動かすことぐらいしかできません。そうすると関節の拘縮と筋力の低下が起きてしまいます。その他にも呼吸機能や循環機能が低下したりもしますが、今回は関節拘縮・筋力低下に絞って話をすすめていきます。

関節拘縮って?起きるとどうなるの?

関節拘縮は名前の通り関節が硬くなることを指します。関節が硬くなると、呼吸器から離脱し全身状態が落ち着いて活動をしていく中で制限が生じることが多いです。手の指が硬くなれば「お箸が使えない」「ペットボトルが開けることができない」、足首であれば「爪先立ちになり歩きにくい」等が考えられます。コロナ陰性確認後に理学療法士がリハビリを行うことになると思われますが、一度硬くなった関節を動かせるようになるためには時間を要することが多く、場合によっては筋肉を伸ばす際に強い痛みを伴う場合もあります。

筋力低下?どれくらい落ちるの?

筋力低下も名前通りに筋力が落ちることです。筋力が落ちることでどうなるかは皆さんも想像がつくとは思います。長い距離を歩くことができない(場合によっては歩くことができない)、重たいものを持てなくなるということが日常生活に直結してきます。筋力低下に関しては様々な研究論文が出されております。

安静臥床では10-20%/週の筋力低下
(Training muscle strength.Muller 1959)

ベッドレストにより筋力は1-1.5%/日の割合で減少、ギプス固定により1.3-5.5%/日の割合で減少
(Influence of training and of inactivity on muscle strength.Muller 1970)

安静臥床を続けると1-3%/日、10-15%/週、3-5週では50%に筋力が低下する
(Myopathy in : Physical Medicine and Rehabilitation.Harar 2005)

筋萎縮はベッド上安静2日まではゆっくりであるが、それ以後は急激に進み10日後までには筋重量の50%を失う
(Physical Inactivity : Physiological and Functional Impairments and Their Treatment.Harar 2012)

参考までにですが上記に示しておきます。人工呼吸器やエクモが使用される重症なコロナ患者は最低2週間程度の寝たきりの期間が余儀なくされます。したがって入院する前の半分程度の筋力になり、また高齢であるほど筋力の落ち幅が大きくなります。

 

リハビリ職の現状

病院によりコロナ患者のリハビリを実施している施設もあるようですが、やはり接触人数を減らすために理学療法士が介入しているところは少ないようです。理学療法士が介入すれば関節拘縮や筋力低下に対してリハビリを行い、拘縮予防や筋力低下の程度を減らすことは可能です。今後、コロナに対して特効薬が開発されることでリハビリの介入も増えていき身体機能の低下もし少しは軽減するのではないかと思っています。

-医療
-

Copyright© こたろうの徒然草 , 2021 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.